わんころけっとのアメリカに暮らしてみたものの

海外で暮らし、劇場で働き、社会で学び、子育てして、ゴルフする

ヌーディスト・ビーチすらマスク着用を求めているのに・・・・そんなに受け入れがたいんですね。

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ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ヌーディスト・ビーチの多くが来訪者にマスク着用を求めているとのこと。*1あるヌーディスト・ビーチの支配人は「少し変ではある。体の中でそこだけ布で覆うというのは」とコメント。そのビーチのキャッチフレーズは「何もかも放り出そう。心配事。苦労の種。・・・あなたの衣服さえも」だそうなのだから、多少(?)の抵抗があるのは無理もない。しかも基本、ビーチだし。塩水で洗えるし(効果?)。別のビーチの支配人も最近ツイッターに「マスクをつけているのに、本当にヌードと言えるのか?」とコメントしている。確かに素っ裸にマスクは、あまりナチュラルな感じはしないかも。また、来訪者は概ねマスク着用には同意してくれたそうなのだが、1つ問題となったのが日焼け跡。「私達の誇りの1つは『日焼けラインがない』こと」「日焼け跡が台無しになる」との抵抗を受けたらしい。なるほどねえ。

そんなマスク問題だが、マスク着用に頑なに反対する人たちはそれなりにいる。一時は死線をさまよったイギリスのジョンソン首相が初めてマスクを着用してメディアの前に姿を表したのは7月10日、トランプ大統領は7月11日だったそうな。「自由を信奉する強い男」としては、人前にマスク姿を晒すわけにはいかないのかもしれない。ブラジルのボルソナーロ大統領しかり。しかし、マスク拒否は、マッチョ男性の専売特許ではないらしい。ニューズウィーク日本版*2によると、ドイツのメルケル首相がマスクを着用し始めたのも7月に入ってからのことらしい。あのメルケル首相ですら、マスクに抵抗があったということかしら。ドイツ人のマスク嫌いは徹底しているようで、「マスクが心理的に影響し、ショッピングをネガティブな体験にしてしまっている。マスクをしていると、楽しいはずのショッピングが病院にいるようで楽しくなくなってしまう。マスク着用義務が続く限り、ドイツの小売業はさらなる大打撃を受ける可能性がある」とニューズウィークが別記事で伝えている。*3

しかるに、マスク嫌いの人たちの主な理由は、1)個人の自由を制限する何ものも受け入れられない、2)マスクは病人がするもの(健康な自分、マッチョな自分には受け入れられない)、3)感染抑制への科学的根拠がない(感染者がマスクをするのは意味があるが、感染していない人がしても意味がない)4)コロナへの過剰反応であり価値観の押し付けだ、5)マスクをしてると犯罪者と間違えられる(アメリカでは西部劇の伝統(銀行強盗はバンダナのマスクをしている)もあるし)、6)呼吸が苦しく、かえって健康に悪い、7)自分のことは自分が一番知っている、調子が悪ければ外に出ない、8)恥ずかしい、カッコ悪い、といったところか。個人の思想信条がなによりも重んじられるアメリカにおいて、前述した理由によりマスク着用に抵抗する人たちがいるのも理解できるし、その抵抗の大きさも相当なものになるのでしょう。なにせ、あれほど学校での銃乱射事件が発生しても、有効な銃規制を実施できない国なのですから。しかし、経済再開を進めることと、コロナ感染を極力抑えることは、車の両輪みたいなものですから、さすがのトランプ大統領もマスク着用に踏み切ったのかもしれませんね。最後に、カリフォルニアのYoutuber2人組が、ロサンゼルスのハンティントン・ビーチで、マスクを着用していない人に「フリーマスク配布」を装って話しかけるという動画を公開しています。なかなかおもしろいし、なろほどねえ〜な内容もあるので、お暇なときにどうぞ。


Solving the Mask Shortage in Huntington Beach

 

 

*1:引用元:

jp.wsj.com

*2:引用元:

www.newsweekjapan.jp

*3:引用元:

www.newsweekjapan.jp